去年の秋、甲賀市内で開局された『エフエム花』。代表のカズロウ
さんと共に、主人がパーソナリティを受け持つ番組が生まれた。二
週間に一度の木曜日、夜八時から30分間の「JAZZナイトレビュー」。

台所で毎朝、NHKFMのスイッチを付ける私だ。初回くらい聴こうか。

気づくと始まっていたので周波数を合わせようとした。けれど永年
触らなかったためか、ダイヤルが動かないので諦めた。

帰ってきた主人が「どうだった?」と問う。カズロウさんは、かま
ーとの森を宣伝してくれたそうだ。・・・あれから一カ月が経った。

主人は、番組のある日は選曲に凝り、用意万端準備して出掛ける。
趣味が活きてよかったね。いつかは聴いてみようと思う。


先週、茶会を催した折に、紅媒先生から山中塗の中棗をいただいた。

高橋楽斎の香合をお返ししようと決めていた。高橋楽斎は主人の母
方の親戚にあたるので、楽斎窯へ連れて行ってもらう。

五代目は窯詰め中にも拘らず、にこやかに対応してくださった。辰
年にちなみ、玉を咥える龍の香合に決めた。それから、江戸時代の
初代作の、辰砂による赤色の皿を見せてもらった。穴窯で酸化と還
元の焼成がどうして出来たのか、今でも解からないそうだ。


お世話になった方々にお礼を述べたりするうち、陶芸家のTさんか
ら、思いもかけないモノを頂戴する。高橋春斎の水指だ。

先代の高橋楽斎と兄弟で、昭和二年生まれの春斎は一代限りの名工
だ。初めて見る。会社に持って帰ると、工場長と社長は驚き喜んだ。

『物はこれを生かす人に集まる』という言葉がある。襾囲庵の茶会
は、また開催すべきかもしれない。

2024.0328