居酒屋で食事したあと、老舗バー"Cellar Lamplighter"へ行く。

ドライマティーニの次は何を飲もうか思案していると、飲料会社を
退職した三人が理想の酒を作った『五島つばき蒸留所』の話をされ
た。その「ゴトジン」をいただく。カトレアの花の香りがした。

近くの席のカップルと話が弾んだ。女性が「今日、偶然手に入れた
珍しい桃カステラ」をくれたので、彼女にだけ希少というカカオの
香りの「ゴトジン」を1杯、お返しした。


石畳の上を走る路面電車が、前照灯をともす黄昏どき。

昨日のカップルの男性が薦めた、穴子の白焼きが美味しい店へ行く
ため、長崎駅から「めがね橋」まで電車に乗る。まず「崇福寺行き」
に乗り、「西浜」で乗り換えた。次の駅が見える、一区間が僅か
100mの距離だったりする。一両編成のせいか、どの電車も満員だ。


主人がJAZZの看板に吸い寄せられる。"saromanian"では、昭和20
年生まれのマスターが演奏するサックスのバラードCDを購入した。

予約しておいてよかった"nagare"は満席状態。隣の席の女性が、
「ゴトジン」ができて、自分の出身地が誇らしく思えると言った。

"BULENOTE"は閑散としていた。が、突然、威勢のいい男性が入っ
てきて「ほら、20年前よく来ていた○○会社のMです」と大きな声
で話し出した。Mさんは「ほら」を繰り返すが、マスターは苦笑い。

「皆でBBQに行ったとき、五島列島出身の奴がいなくなったと思った
ら、海から上がってきて、両ズボンのポケットから次々アワビを出
して最後は蛸だった」の話でマスターは破顔、感動の再会となった。

Mさんとは東京で会う約束をするほど盛り上がった長崎の夜だった。

2024.0308