椿大神社の奥宮へ行くことになったのは、今年の6月だった。同行
はアサミとヤヨイ。二日前の連絡の「防寒着」で、登山と気づいた。
am8:30合流。「お会いするの、人生で2回目ですよね」と確認する
私。「はい。でも、つい先頃も会っていた気がします」とヤヨイ。
緩やかな2時間半と、急な坂の1時間半の、どちらの初心者コースに
するか。迷うことなく、距離の短い二本松尾根コースにする。
ヤヨイ、私、アサミの順で出発。小幅で歩き、手は大きく振らない
と教えられる。たちまち険しい山道で、何故来たのだろうと自問し
つつ登る。それを察してか、「有酸素運動になる」「日頃使ってい
ない筋肉を使うからアンチエイジングになる」と励ましてくれる。
遅くなりがちなので、先に行くよう促すと「滑落した時に気づけな
いから」とアサミは言った。アサミの初登山は4歳で剣岳だそうな。
下りてくる登山客と挨拶を交わす。北アルプスの槍が見えるらしい。
けれど、私はもう限界だ。「ここで待ってるわ」と言うと、ふたり
は「もうすぐ山頂なのに?」と笑った。幾度も小休止する私・・・。
限界に次ぐ限界を踏破して、やっと山頂へ。もう動けないので昼食。
ヤヨイが、お握り、蒸し卵などをくれた。食べたら疲れが吹き飛ん
だ。風が強くて汗も飛ぶ。寒くなって帽子を被り、記念撮影をする。
「では、奥宮へ」とふたりが言った。ええっ?ここじゃないの?
更に片道10分を登り、社の前に立つ。参拝。 pm13:00下山開始。
下山は、私が最後を歩いた。滑落しても、二人で助けられるという。
「しんどい、止めるは、言わなかったですね」と褒めてくれた。
「今日の登山は、何か意味のあることですよ」とアサミは言った。
2025.1021
