連休初日の京都は気温28,9℃。途中の山は、芽吹いたばかりの若葉
のグラデーションでもこもこと盛り上がっていた。都ホテルの周り
は、紫がかった桃色から濃淡のピンク・赤白朱色のツツジが満開だ。

プラスガーデンの『インナー・ガーデン』を開催していただいてい
る平安神宮前「シュマン山総美術」へ、配達を兼ねてご挨拶に伺う。

嬉しいのは恒例の催しを楽しみにしてくださるお客様がいることだ。


それから西武大津店へ向かう。アートサロンでの『並川 稔写真展』
は今日が初日だ。受付嬢は、稔さんの母親である並川先生だった。

5年間のロンドン生活で撮りためた写真の数々。夕日に照らされて
家路を急ぐ子供達とアヒル。犬に日傘を差して自分は日差しを手で
避けながらベンチに寝ころぶおばさん。の写真を時間をかけて見る。

ノルマンディのカーニバルの黒人の髪飾りの緑。黄色い家が並ぶ通
り。ピカデリー広場の彫刻のバックの青い空。赤い電話ボックス。

どれも迫力と格調がある。更に色彩の美しさに心酔する。

「それは、カメラがいいから?被写体がそういう色してるの?現像
がいいから?どうしてこんなに綺麗な色なの?」と、稔さんに聞く。
彼は笑って答えてくれなかった。

写真をカードにしたおみやげをもらい早速開ける。色が全然違って
た。美術館で名画の複製画を買わない理由はこれなんだなぁ、私。

『グレン・グールド』のピアノを聴きながら帰る。美しくて力強い。
拡がりのある曲。綺麗な音。そのまま稔さんの写真を彷彿とさせた。
 
ひょっとして、ピアノが良いから曲が良いからと言ったようなもの
かしらと、すでに山道に入ってから反省をする。

2005.0429