信楽焼総合展(10月7・8・9日)に毎年出展するのはお決まりの事
なのに、担当の工場長いわく「今年はアイディアが浮かばぬ」と、
ギフトショーが終わったばかりのプラスガーデンに丸投げした。

高さを違えた四角形の筒は、釉薬の色が予想以上に良い出来映えに
なった。特に漆に似た赤はしっとりした重厚感がある。

商品名を付ける段にふと口にした「赤影・黒影」から『仮面の忍者、
赤影』の話題で暫し盛り上がる。

漢字一文字に!と並川先生がおっしゃるので、『霹(heki)』に
決めた。水で揺らめく灯りに竹の葉影が映る。このままIFEXに
出そうと思うが、工場長は「入賞したら持ち出し禁止」と言った。

その後、工場長は陶器まつりのPRのため”びわこ放送”に生出演
した。事務所で「鼻を撫でるサインをして」と頼まれたらしい。
したらしたで翌朝「あれは自然じゃなかったね」と言われていた。

審査の結果は、優秀賞。今年の受賞は嬉しくもあり嬉しくもなし。


”中秋の名月”の日の夕刻、石山寺へ行く。あいにく月は見えない
まま、観月茶会の手伝いをした友だちを労って一緒に帰った。
  
真夜中の高く上がった月は皓々として、空は昼間のようだ。
透き通った群青色。辻まことの”夜の山スキーの絵”が青一色なの
は、雪山がこんな夜空を吸い込んでいたからに違いない。


”10時間耐久マラソン”の今日、私は豚汁を作る役に借り出された。

3000人分って想像を絶する具の量だ。冬瓜の皮を剥いて2時間後、
包丁を持つ右手の皮が剥けた。痛みに耐えて更に葱を刻む。

お昼を過ぎてバトンタッチ。陽射しが熱く、朝夕の寒暖差に驚く。

2006.1008