ホーチミンで聴くクリスマスソングは、少なからず違和感があった。

9月の気候と云われ暑さを期待してたのに、機中もホテルも冷房が
効きすぎて寒かった。夏でさえ冷房嫌いなのに。
ヴェトナムで空調を切って寝るなんて、予想だにしなかった。


おまけに携帯電話を世界対応に替えたのに繋がらない。先月、忙し
い中を、auからSoft Bankへ会社の携帯電話をまとめて変更したのは、
空港で一々国際用携帯電話を借りるのが面倒だった事も含まれる。

二村さんが自慢げに取り出すiPhoneから、担当者に聞いてもらったと
ころ、私の機種は3G対応でアジア圏は使えないらしい。それが今、
分かり平謝りだとのこと。


2度目で慣れたとは不遜な言い方だが、ヴェトナム語と日本語に堪
能な通訳がいると、たいていの事はうまく運ぶ。

北部ハノイ出身の通訳Ngaさんは、産休中のママだった。近年は暖房
設備が整ってるけれど、少し前まで「気温が5,6℃の日は、学校が休
みになった」と云う。そのNgaさんでさえ氷や雪を見たことがない。

薄ものを着る女性が、デコレーションの雪(綿)を手にしてポーズ
をとる場面が街中で見られた。X’mas前後の人出は、普段の数倍だ。


帰りの空港へ向かう途中、ライトアップした教会に沢山の人がいる。

運転手さんが気を利かして駐めてくれた。車外に出ると、地べたに
座っていた男性が笑顔を向けた。「キレイだろ?」と。(たぶん)

いい大人の、この屈託のない顔はどうだろう。

Ngaさんは「世界的不況はヴェトナムも例に漏れない」と言うけれど、
そんなことに動じない底力があるように私には見える。

2008.1226