北大路で開催中の『武村小平型染展』を見てから、恵文社一乗寺店
での『数学ブックトーク』の講義を受ける日曜日。

武村さんは、去年の八月に信楽に越して来られた作家だ。巧い具合
に、武村さんの個展在廊日と森田真生の講演日が重なった。

椿や笹の葉、組紐などをモチーフにした型染めは、切れ味の良い図
柄でインパクトが強く、瑞々しくて新鮮に感じた。

薄い水色と緑色のすっきりとした笹の葉模様の着尺は、初夏に着て
みたい。大山蓮華の模様の帯は、茶系の色無地に合わせたら、海老
茶色の雌しべと花びらの輪郭の線が際立つと思った。武村小平の作
品を身につけると、一割増しいい女に見えることを請け負う。


森田真生は、可愛い顔をした若くてエネルギッシュな数学者だった。

講義は3時間半近くあったが、面白くて一睡も出来なかった。こんな
ふうに数学の歴史から教えてくれていたら、数学好きになっていた
かもしれない。証明が、何故まわりくどい文で答えるのかなど…。


「心は脳の中にあるんじゃなくて、環境に漏れ出しているもの」と
か「自然の中に生きている人間から生まれたのが数学」といったあ
たりで、えっ⁉︎ 本来そういう学問だったのかと衝撃を受ける。

「わかった!という心の喜びが、1人だけじゃなく共にわかるとい
うことが大事で、共に構築する、共に計算することによって、肉体
を越えたところで繋がっている」なんて、想像もしない締めの言葉。

「人間の中心に情緒がある」と言った数学者・岡潔の話を、もっと
聞きたかったけれど、絶版だった本が新たに販売されていた。

私には縁のないと思っていた数学に、すこし近寄ってみたい。

2014.0209