今月に入り、人との出会いに、目が開いたばかりの赤ちゃんのよう
な心持ちがしている。

まず、数十年ぶりに、高校一年生の時の同級生が店に来てくれた。
当時のイメージのままだった。ずっと日舞は続けているそうで、培
ったものの大きさを尊敬した。こういう人に会うと私には何も残っ
ていない気がする。


伊勢市の安土桃山文化村に建つレプリカの安土城の存在は、その城
の写真が刷られた名刺をいただくまで知らなかった。近々『一城4
室一泊3600万円・天守閣だけなら1200万円』のホテルになるそう
だ。客のターゲットはアラブ諸国と中国の富裕層とのことだった。


信楽からスリランカへ嫁いだヨシコさんは、宝石と紅茶と塩を生業
とされている。アールグレイの紅茶はとても美味しい。塩は海水の
天日干しなので甘みがある。それを帰国の都度いただいていた。

スマトラ沖の地震は記憶に新しい。家や家族を失った寡婦が中心に
なって塩作りでも生計を立てているとおっしゃるので、かまーとの
森で販売することにした。


私が「筍より破竹(はちく)の方が好きだ。えぐ味が無くてたくさ
ん食べられるから」と言うのを、毎年、両方くださる近所の方が聞
いて、まだ破竹はあるから採りにおいでと誘ってくださった。

そこは家から200mもない距離なのに別天地だった。広い空き地の
端に2・300年は経つと思われるケヤキが二本あり、神聖な空気が
漂っている。向こうに竹林があった。永い付き合いなのに全く来る
ことのなかった場所なので、新鮮な思いで眺めた。

2017.0610