8月最終週の日程表は、『茶の稽古』『料理教室』と並んでいた。

久しぶりの稽古は、草花を活けたり香をきく三友之式の花月だった。
私は涼しげな矢羽薄(ヤハズススキ)とピンク色の秋海棠(シュウ
カイドウ)を飴色の花籠に入れた。花名は漢字の方がしっくりくる。

『月』の札を取った人は香を焚く。左隣に座る妹が『月』を引いた。

いこった炭が灰の上の銀葉を温めると、香木から香りが漂う。先に
辛みが流れ、少々の華やかな甘さがあとを追う。たぶん沈香だ。

先生は「鼻の右から吸って左から吐くといいますが、そんなコト出
来ますかねぇ」と笑いながら、香をきく所作を教えてくださった。


何年か前に、5mm角程の正四角形の白と緑色のズッキーニ、小さ
なスイートコーンの薄黄色の花のような断片、星模様の緑色のオク
ラとその中の白い種、オレンジ色の海老とサーモン、赤黄のパプリ
カ、縁がハムのテリーヌを、ミッチ先生からいただいたことがある。

今日はテリーヌとバジルのオレキエッテパスタ、スイーツのカッサ
ータ
を作るので、"かまーとの森"に生かせたらと思っての参加だ。

まず、オクラ・ニンジン・南瓜・黄パプリカ・赤ピーマン・緑ピー
マン・椎茸、最後は竹輪を、其々指示に従って切ったのち茹でる。

隣の生徒さんに「これ、何の材料ですか?」とためらいがちに聞く。

テリ-ヌと言うので、宝石箱のような感動テリーヌの話をしたら、
彼女は笑いを押し殺して「あとキャベツもありますよ」と囁いた。


約7mmの生地を木の葉状に押し広げ、皆な寡黙に延々と作った
レキエッテパスタ
は、時間が経っても形状が変化しないし美味しい。
パルミジャーノでコクの出たバジルスープも最高の出来だった。

2019.0828