受付でもらった紙を見て、思わず「短歌!?」と声が出た。今の今
まで、俳句を作るとばかり思い込んでいたのだ。

連休最後の日は朝から大雨だった。読売新聞社主催『第1回俵万智
と吟行会〜源氏物語・千年の時を越えて』が、所縁の地である石山
寺で行われる。Oさんとアサコの3人で、朝9時過ぎに到着した。

約150人の参加者。熱心な歌作りの人達ばかりかと思う。

たぶん私たちは異質の存在だ。俳句と間違えた私だけのことではな
い。Oさんは「私って川柳体質だし、光源氏ってキライ」と云うし、
アサコは「生まれてから一度も作ったことが無い」と不安顔になる。


==短歌を作るきっかけは”ホンの身近な物事を窓口にして””今、
この時を切り取る”気持ちで作る。今日の雨も、生憎の雨と思わず
に恵みの雨と捉え直すと、また違った一面が見えてきます。===

俵さんの話はすうーっと胸に入ってきて、雨に限らず何事に於いて
も前向きにいこうと、晴れ晴れとした気持ちになった。

木々の若葉やシャクナゲ、霧島ツツジ、石畳の階段や苔が冴え冴え
と見える中を散策し、紫式部展を見てから多宝塔の軒に陣取る。早
く書いて終ってさっさと琵琶湖ホテルへ移動しようという魂胆だ。

そうは願っても適当に作ろうにも、なかなか出来るモノではない。
ようやく一首を投稿箱に入れると一仕事終えた気になった。

  
エリ漁をアレンジしたお弁当で会食。雅楽と舞のあと表彰式へと続
く。アサコが入賞し、俵さんから賞状と記念品を手渡された。

「心奪われた処を中心に、あとはそれを際だたせる凡庸な句でいい」
なるほどなぁ。短歌も面白そうだと思わせるほど、俵さんはウマイ!

2007.0506