「初日の入場者は、去年の第1回雑貨・デザインEXPOより70%増で
した」と主催会社の担当者は胸を張った。

お菓子を陶器に入れて販売したい、お香の容器に使いたいなどの話
があり、ガーデンの展示会とは違う販路の開拓が出来たと思う。
  

初日から気になるブースがあった。ずらりと並んだ円錐形のガラス
瓶。付属に金銀の王冠キャップ。男性が数人と金髪の浜崎あゆみ似
の8cmヒールの女性が3人。全員、細身の黒スーツに身を包んでいる。

あれは一体何だろう。若杉さんに頼んで、聞きに行ってもらった。
  
「中身は六甲の水で1本五千円、王冠キャップも五千円。無くなっ
たら水道水を入れときゃいいんです」と言われたらしい。いきなり
そこまでぶっちゃける営業トーク。水割り用の”セレブ”な水!?

直接話を聞く勇気はなかったが、パンフレットからは多いに学ばせ
てもらった。”アート機能”などの造語、カタカナ表記の英単語の
連発。これらと対極にある司馬遼太郎の引用文まで。作ろうと思え
ばどんな事にも文章は作れるのだと、妙に感心し、励まされもした。

  
私たちは巨大なナンと遭遇した以外特筆すべき事は無いが、若杉さ
んは色々と愉しいコトがあったようだ。2件目で意気投合したおじ
さんとスナックへ流れた日。チャーリー浜のニセ者と飲んだ夜。

極めつけは、専務と行ったカウンターだけの店。80歳半ばのお婆さ
んが一人座っている。味の素でテカる胡瓜の漬物と突き出しで焼酎
のロックを飲み出すと、「ウーロンハイもらっていい?」と聞いた
そうだ。ひょっとしてホステスなのか!?・・・・お勘定は五千円。

受け取ると即、彼女に2500円渡した女主人は70歳半ばだったと云う。

2007.0706