初釜で濃茶を点てることになった。私が後座の濃茶なら、メンバー
は後輩が多いということだ。

雪催いの下、空に似た薄青色の色無地に、帯揚げなどの小物にピン
ク色を配して初春らしく装おった。


めでたい席に使われる島台は、金・銀の箔を内側においた大小の楽
茶碗である。まず、金色の茶碗に3人分を点てる。

お正客は「結構なお服加減でございます」と、にっこりされた。
一安心するが、みどり色のお歯黒みたいになっている。

次に5人分を点てる。銀色の茶碗はどんぶり程もある大きさだ。茶
入れも小堀遠州好みの大きなものだから、茶杓にたっぷりすくえる。

見当がつかなくなるが、確か人数分が入っているはず・・・。

懸命に練ってそっと茶筅を抜き上げると、ペンキを塗った後のハケ
のようになっていた。未だかつて見たことのない姿だ。


銀の茶碗で飲む方も「結構なお練り加減で」とおっしゃったが、や
はり口元はイカ墨スパゲティを食べたみたい。全員みどり色の口だ。

一昨年は皆キツネじゃないかと疑ったけれど、今夜は宇宙人ではな
いかと思う。飲みきりの末席は、日頃心易くしているMちゃんだ。

恐る恐る見ると、苦虫を噛みつぶしたような顔でいる。思わず「私
が飲むわ!」と言うと、「では私が」と先生が茶碗を手にされた。

泥状から固形になっているのかな。「5人分練るのは初めてですから
当然です」と私を慰めつつ飲み干された。もう3月で稽古を辞めよう
と思っていたけれど、恩義に感じて今年も続けることにする。


『一期一会』は、何にでも当てはまる。心して一年を送りたい。

2009.0118