野暮ったいきものを着た65歳くらいの俳句の先生が、芸能人の作っ
た句をバッサバッサと添削して見事な一首に作り直す小気味のよさ
に、「なるほどねぇ」と感嘆の声があがる。

今テレビで人気を博している俳人・夏井いつきの『句会ライブ』に
参加するため友だちを誘って北ビワコホテルグラツィエに向かった。


「100名の募集に150名集まっちゃったんですよ」と、地元の者だ
という右隣の席の70歳代の男性がいろいろと教えてくださる。

夏井いつきは、テレビで見るよりうんと若かった。しかも開口一番
の「どうしてきものじゃないのかと思われたでしょう?」に会場が
ざわめく。普段きものは着ないし、たたみ方も知らないと言う。

用意された衣裳で出ているらしい。話し方も柔らかく、テレビって
作られてるんだなぁと思った人はかなりいたようだ。


俳句は「一物仕立て」「取り合わせ」の二つに分けられる。過去の
句の約85%が「取り合わせ」だそうだ。

まず12語を考える。たとえば「夫とふたりで長浜へ」の頭に「冬の
風」の季語を付けると、夫婦間が冷たい感じ。「冬うらら」を付け
ると仲の良い感じ。12語の気持ちに一番マッチした季語を探してく
っ付ければ良いんです。何て簡単!さぁ作ってみましょう5分間で。
日本語を知ってれば出来る。考えるだけで認知症予防にもなります。

何だか、どんどん作れそうな気持ちになってきた。


7首が壇上で発表された。うち『三成の生れし里や雪催』は、右隣
の男性の作だった。「すごいじゃないですか」「(俳句作りは)ま
だ5年です」とはにかまれる。私も今日から毎日一首作ってみるか。

2015.0202