今日は結婚する前に勤めていた会社"S"の依頼で、某編集者のFさ
んの取材予定だった。たいていモデルを含む取材クルーで数人と思
っていたところ、来たのは"S"社の女子社員三人とFさんだった。

社名を聞いた途端に懐かしさがこみ上げる。

20代の彼女たちに「経理にカワイさん居るでしょう?」と昔机を並
べていた人の名前を言うと「カワイ部長ですね」と答えた。へ?、
出世してるんだ。そういえば年賀状には昇進など書かないものなぁ。

あと二人ほど男性の名前を思い出して言ってみると、所長の役職も
あって驚いた。若い女性に交じってキャピキャピ話して盛り上がる。

Fさんが工場見学の様子も写真に撮りたいとのことで案内する。
「二年前に来た時は社長の熱心な説明を受けた」とFさんは言うが、
私は歩く速度で極簡単に済ませる。


事務所に戻ると「ピアニストの女性がいらしている」というので出
ていくと、"S"社の同僚だったタカダさんがいる!どうしてここに!?
嬉しくって肩を抱き合う。30年以上ぶりだね!

ピアニストはタカダさんのお嬢さんだった。何も知らずにお嬢さん
に誘われてランチに来たと言う。こんな偶然てあるかしら。

タカダさんとお嬢さんは、1200ccのHarley-Davidsonのバイクに
乗るのが趣味とのこと。こんな華奢な身体で?とかピアニストは指
が命なのに?とか思ったけれど口には出さない。

「今度はツーリング仲間と来ます」とタカダさんはにこやかに去る。


事の成り行きを見ていたFさんが「全部、恵子さんが引き寄せたの
ですね」と言うけれど、そんな術を習得した覚えはないよ。

2016.0508