会社の健康診断で、心臓の『要検査』の通知が来た。

一昨年のそれは『要精密検査』だったけれど病院へ行かず、去年は
健康診断すら受けなかった。一昨年の結果より、ずいぶんマシな数
値を示す今年の結果を持参して病院へ行った。それでもドクターは
「念のためいろいろ検査しましょう」とおっしゃった。

5年前ぶりのホルター心電図は進化していた。前は黒いコードを胸
に這わせ箱型のレコーダーを腰に付けたけれど、今やコードはシー
ル状になり、胸にチップを貼りつけるだけで測定できる。

前回はストレスと診断されたが、まだストレスを受け続けているの
だろうか。私の心臓の不調は労災ではないか。

24時間の行動を書き込むカードを渡されて、家に帰った。

翌日は興味があった『己書』のレッスンだ。太筆と薄墨筆の2種類を
持って、甲賀流の忍者館が新設された『忍の里プララ』へ行く。

初対面のみぃ子先生は、親しみやすい笑顔と豪快な笑い声で、皆を
あっという間にほぐして、書きたいと思わせる術を使った。

今までの筆の持ち方と運び方を一切無視して、筆の腹でグルグル渦
巻きを描き、扇型につぶして線を引く。「愛おしいでしょう?自分
の字って!」とハッパを掛けられる。半紙とハガキにどんどん描く。

同じ字なのに個性が出る。描くのが楽しい。字じゃなく絵のような
ものになっていく。一時間経ち、"お地蔵様"を描いて終了。皆は満
足げな表情で、作品を見せ合ったり上級のお手本を見たりした。

これからみぃ子先生と有志が、かまーとの森でランチという時に、
ホルター心電図のコードを外すために病院へ向かう。

2021.0318