大鳥神社の祭礼が四年ぶりに行われた。幼い頃から親しんだ太鼓の
音が聴こえてくると懐かしい気持ちになる。今年は特に、3歳の孫
と母にお祭りが見せられて良かったなと思う。

親戚や孫たちと神社へ行くと、たくさんの人で混雑していた。残念
だったのは、飲食の屋台ばかりで、それ以外はスーパーボール掬い
があるのみだった。この暑さでは金魚は扱いにくいだろうけれど。

神殿前の奉納舞の笙の音が、深い鎮守の森へ吸い込まれていった。

翌日の午後三時からは花奪いの神事がある。5歳の孫と境内へ行き、
長男たちと合流する。数年ぶりに神花が手に入って嬉しかった。


渡邉愛子先生とは前々から面識はあったが、著書の『仏典童話1』
を、二村さんの奥さんに借りて初めて読んでみた。とても感動した
ので、先生宛てに感想文を送ったところ、お手紙付きで『仏典童話
1』と『仏典童話2』
をお贈りくださった。

そこで、旧大津公会堂での先生主催の講座に参加することにした。

初参加の私のために「消えない灯明」を題材にされた。分かり易く
まとめられた童話の裏に、膨大な経典があることを知る。先生の声
質もあるだろう、サンスクリット語は美しい言語だなぁと思った。

一番心に残ったのは、先生が昔、祇園精舎へ行った夜の想い出だ。

インドではよくあるらしいスケジュールで、着いたのは夜中。賄賂
で(ツアー代に含まれていた)門を開けてもらい中に入ると、濃紺
の夜空と満天の星のもと、木の台だけが残る祇園精舎ではあったが
経典に出てくる場所にいることの感激を今も忘れない、とおっしゃ
ったことだ。そしてそのままに、先生は仏教に情熱をお持ちである。

2023.0728