二人の孫が一泊することになった。妹の方は初日、6歳の誕生日だ。

会社帰りにケーキを買いに行く。入店していきなり、小3の兄がカ
ートを押して走り出す。今どき、こんなヤンチャは見ることがない。

さっさと買って帰ろう。清算している間に、ふたりはクリスマスの
菓子コーナーを物色していた。ミッキーマウスが黄色の鈴を持つ菓
子を欲しがる。いくら?「300円ほどじゃない?」と兄が答えた。

一つが約700円だった。それなら要らないと言うので、近くの駄菓子
屋へ連れて行ってあげることにした。歳の数だけ選んでいいよ。

一個15円から100円の駄菓子がびっしり並んであった。集中する二人。

着色料の強い甘いゼリーや飴を手に取る兄、ピンク色のハートの指
輪や、ブルーの髪留めを手にする妹。それぞれの籠に入れていく。

駄菓子屋のオバさんが「計算器を使うから読み上げてくれる?」と
兄に言った。40円、25円、80円・・。「365円」。兄が言うとオバさ
んは暗算に驚いて何年生?と聞くが、妹の分を計算して480円になる
と知った兄には聴こえない。「もう少し買っていい?」とせがんだ。

何個か追加して満足した兄をクルマに押し込んで、家路へ向かう。

「♪ミッキーマウスは、ぼったくり♪」と、妹が即興で歌い出した。
「まぁな」と相槌。兄も合唱。「だって、小さなラムネが3つ入って
るだけだぜ!」「駄菓子屋は、たくさん買っても千円でお釣りがき
たよ!」妹は同じフレーズを繰り返している。ラッパー兄妹かよ。


帰宅。先に来ていた従弟の6歳・3歳男児をこたつの中へ誘いこむ兄。
駄菓子を知らない彼らに分け与えるのだ。しばらくして、ココアシガ
レットを口に咥え不敵な笑いを浮かべた手下が、こたつから出て来る。

2025.1118