知り合いの女医さんの薦めで、三浦伸章さんの講演を聴きに行く。
何の話か見当が付かないので興味津々だ。
「先生ってガラじゃないから、ノブちゃんとでも呼んでくれ」と、
三浦さんは始まる前の10分間に、多岐にわたる雑談を繰り広げた。
講演開始。高野山高校を卒業してから45年間、ノブさんが農業に従
事して培ったモノは膨大で、目からウロコのお話の連続だった。
土に石灰を入れない。人参には水をやらない。苗は弱い方を選ぶ。
緑の濃い野菜ほど摂らないほうがいい。など、二時間拝聴する。
肝心な点を確認する時、「~だってこと、知ってるよね!」と、マ
ジックの先を向けられると、顔をブンブンと横に振るばかりだった。
昼食はお弁当。午後から畑に出て、『ねじねじ藁』の威力を見る。
まず、固い土をスコップで掘る。次に『ねじねじ藁』を土の表面に
置いて同じ様に掘る。すると、スコップの刃は、サクっと地面に入
り、さらさらと細かな土になるのだ。皆でその事実を確かめる。
室内に戻り、いよいよ『ネジネジ藁』を伝授していただく。元々稲
藁には微弱電流があるから、持つだけでチカラを感じる。そこに土
中の水分の+・-が作用するのだ、たぶん。奮闘して作り上げる。
秘密の武器を手に入れたかのような高揚感と期待。畑しようかな。
「田植えまでは、玉ネギを植えておけばいいんだ」と、水田に丸々
とした玉ネギが並ぶ写真を見せるノブさん。農業に目覚めた40代の
女性たちが、「水稲の本も出してください」と懇願していた。
『"狭き門"より入ると楽な道』でしたっけ?常識にとらわれず、
楽に顕著な成果を出して、農業を愉しむ人たちが多くいらした。
2025.1208
