陶芸の森からの『九谷焼・赤絵体験募集』に、申し込みをした。

一度は描いてみたかった、赤絵。参加した20名は全員女性で、陶芸
家、陶芸家の卵、信楽焼製造会社の社員などと思われた。入口に小
皿の見本が数種類並べてあり、ひとめで「富士山」を選ぶ。

伝統工芸士・福島武山さんと、跡継ぎの娘さんの講義が始まった。

まず、麻の葉・青海波などの細かな絵柄の描き方を習う。筆に赤絵
具を付け、小皿と同サイズの紙の線をなぞって練習する。しかし、

私はすぐ皿に描いた。持続力に乏しいので紙に描いてるうちに飽き
るから。青海波の一番上は、間隔を他より少し開けるのが要点だ。

千鳥の描き方を教えてもらう。二羽目は歪んだが直さない。これも
味。跳ねる水しぶきは水色にしたいが、色の濃度がわからないので
感に頼るしかない。皆より時間に余裕があるので、縁も細かく描く。

作品は、石川県の窯に持ち帰って、本焼きをしてくださるそうだ。

武山さんが「富士山に、金彩を足してあげましょう。」とおっしゃ
った。嬉しいなぁ。皆も良い作品が出来上がり、賑やかになった。


三週間後、『九谷赤絵の極地』を観に行く。九谷焼における赤絵細
描技法は、江戸時代後期に加賀市の宮本屋窯で大成したとのこと。

江戸時代の九谷赤絵は、青味の土に黒味がかった赤で描かれている
ため、暗い色調だ。行燈の下なら、なおさら繊細な絵柄は見えない
だろう。ポスターの印象とは違い、シックな感じに好感を持った。

1mmの幅に、9本の線を描いた解説を読む。ここまでするか?の技だ。


帰りに陶芸の森の事務所に寄り、小皿を受け取る。水しぶきの青が
濃く出てなくて残念だが、とても可愛い。お正月に使おうと思う。

2025.1218