陶芸に『練り込み』という技法がある。切っても切っても同じ柄が
出る金太郎飴のように、粘土で色々な模様を作るのだ。

その技法で精進され、素晴らしい作品を生み出しているのが高橋由
紀子さんだ。かまーとの森での二回目の陶展を開催させていただい
ている。繊細で華やかな色彩感覚はそのままお人柄のようである。

意外にも十年前は吉本興業の芸人でいらっしゃった。自己表現に変
わりは無いので、今は好きな陶芸に打ち込めて幸せだそうだ。

とにかく一人でも多くの方に見ていただきたいと、『ミッチのパン
工房』の店頭にも案内を置いて欲しいと願い出た。するとミッチは
三カ月ほど前に高橋さんの出演したラジオ番組を聞いたと言う。
「展示会には是非とも行って見たいものだと思っていた」と。

翌日、ミッチは念願叶って高橋さんの作品を見、会うことも出来た。


茶道の稽古日、お床のナツツバキの蕾が銀色に光って見えた。丸い
ふくらみが愛らしい。掛け軸は『二』の字しか読めない。

先生によると『今乗二尊教』で、今世は釈迦と阿弥陀の二つの尊い
教えがあるとのことだった。大谷大学出身のTさんが何か質問した
ところ、先生は専門が仏教の大学教授であるご主人に委ねられた。

二階から降りてこられた柔和なご主人は、経典のどこに書いてあっ
て、後に続くのはこうだとおっしゃった。私は実在した仏とそうで
ない仏を並べた処に何か意味があるのか知りたく思った。

浄土宗と浄土真宗の違い。西本願寺と東本願寺のこと。大谷大学と
龍谷大学の宗派。茶の稽古とはいえ、一般的な素養不足のため、私
は家に帰ってからも調べ物でけっこう忙しいのである。

2019.0618